認知症の人への支援体制として、従来悪性腫瘍への対応を中心に展開してきた緩和ケアを認知症ケアに応用する試みが進められています。コミュニケーションの障害から起こりうる身体的苦痛への対応と、本人が自己決定できる早期の段階において、今後起こりうることを話し合い、療養生活の方針に反映させるアドバンス・ケア・プランニングに関する議論や、その具体化が地域や医療機関で検討されています。しかし一方で、「どのようにすれば意思決定の支援につながるのかわからない」との疑問も聞かれることが多いようです。ここでは、「どのような支援が本人の意思決定に役立つのか」意思決定支援のルールとその実践のあり方について、一緒に考えていきましょう。